monologue de yoki-ta

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なんか違和感・・・

タバスキの前日。
タバスキの様子を見せてくれる大家さんへのお土産として、鶏1羽を買ってきてほしいと同期隊員から頼まれた。
任地の市場では、小ぶりな鶏ばかりでいまいちだったらしい。

はて。
私は今まで食用の生きた鶏をまだ購入したことがなかった。
私の任地は、スーパーがあるし、限られてはいるが冷凍の肉が買えるベナンで一番便利なところ。

市場も沢山あって、どこで買えばよいかも分からなかったので、同僚に聞いてみた。
親切なことに、偶然自分も市場に買い物に行くとのことで一緒に行ってくれた。

鶏売り場では、大きな檻のような囲いの中に沢山の鶏がいた。

オスとメスどちらがいいか。
大きさはどのくらいか。
絞めるか生きたままか。
羽はむしるか。

鶏を買うだけでも色んな選択肢があった。
大きめのオスを生きたまま買っていくことにした。
1羽2,500CFA(500円)
ベナンは市場で買い物をすると黒い買い物袋に入れるのが主流。
例外なく、鶏も両足を縛られて、生きたまま黒い買い物袋に入れてまるで野菜を買ったかのように普通に渡された。
ちょっとおもしろかった。

一旦帰宅し、玄関先に買い物袋の鶏を放置して出かける準備をする。
準備を終えて出てみると、嫌だったのか足を縛られているにも関わらず、袋から出ている。
ん~どうしよう。

鶏を触ったままの手で出発したくなかったので、家の警備員に頼んで袋に戻してもらう。
「コケッ コケッ」と大きな声で鳴きながら暴れる鶏を、手慣れた手つきで袋に入れてくれた。

袋を提げて歩く分にはじっとしている。
乗り込んだタクシーは助手席だった。
ベナンのタクシーは助手席に2人乗るのが普通。
私は真ん中で運転手とおばちゃんに挟まれた。
当然、ぎゅうぎゅう詰め。
自分の大きな荷物を膝の上に乗せて、私のお腹に鶏を乗せる。

すると足元がおぼつかないのか鶏が羽をばたつかせて暴れ始めた。
両隣のベナン人に迷惑がかかると焦る私とは裏腹に、隣のおばさんが男前にかつ手慣れた感じで鶏を落ち着かせてくれた。

どうも、鶏は暑かったらしい。
袋を開けて顔を出させて、通気性を良くしたほうがいいとのこと。

このばたつきで私が鶏を連れていると知った運転手は、ニヤッとして一言「鶏か。」と言った。

その後、鶏は何度か暴れたり、ぐったりしてみたり、きょろきょろ見回してみたり、よだれみたいなのを運転手の袖口に垂らしてみたり、色んな動作を繰り返しながらタクシーで約2時間の道のりを過ごした。

その都度、おばさんが押さえてくれ、私自身もコツをつかんできて鶏の様子を見ながら、最後には暴れても落ち着いて対処できる自分がいた。

隣のおばさんは2時間もの間、タクシーが停車する度に窓へ駆け寄ってくる売り子から、あらゆる食べ物を買い、私の鶏が半分おばさんの膝の上に乗り、顔を出そうが何しようが、気にすることなくずーっともぐもぐ食べていた。

後ろの乗客も「ヨボ(白人)が鶏を連れている。」と噂すらすることなく普通に乗っていた。

運転手も、一言「鶏か。」と発しただけであとは鶏が暴れようがよだれを垂らされようが無関心で、渋滞にいらいらしていた。

やがて、同期隊員の任地に到着し、私は彼女に「鶏買ってきたよ。」と袋に入った鶏を、まるで野菜を買ってきたかのように普通に渡した。
そして、彼女も「ありがとう。」と普通に受け取った。

もし、これが日本だったら。

生きた鶏を袋に入れて歩くだけで、色んな人から奇異な目で見られるだろう。
それを持ってタクシーに乗ろうとすれば、乗車拒否され、運転手にとって間違いなくその日の変な客ナンバーワンとして同僚や家族に語られるに違いない。
鶏が暴れても、袋の外に出ても誰も助けてくれないし、鶏を扱うコツも誰も知らない。

生きた鶏を提げて歩き、鶏と一緒にタクシーに乗り、暴れる鶏を落ち着かせている自分、それをまるで茶菓子でも買ってきたように、普通に手土産として受け渡ししている日本人の私たちが滑稽で面白かった。

鶏を連れた自分を奇異な目で見ているのは、日本人の自分。

ベナン人にとってこれは、よくある日常のひとこま。

何気ない顔でベナン人と同じように振舞ってみても、日本ではあり得ない出来事の連続を受容できるようになっても、いつも日本人としての自分が客観的にその様子を見ている。

その違和感は大事な気がする。

ベナン人の習慣に合わせて、行動しているもしくは行動できるようになった自分に、優越感を抱きつつも、そんな出来事が増えるほど、日本にいた頃の自分と距離を感じ、日本に戻って適応できるか不安に感じる時がある。
帰国が近づくほどそう感じる。

その国を理解し、受容することは大切だが、この国で生活するには日本人としての自分もしっかり持っていないと、流されて自堕落な生活になりかねない。

約1年半ベナンにいてもベナン人にとって日常の出来事が、私にとって初体験のことがまだ沢山ある。
ベナンに馴染む自分を楽しみながら、もっと色んな事を体験したい。

そんな生活もあと半年。

niwatori
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